MLBルール解説
「なんでこの選手がいきなりいなくなったの?」「マイナーに落ちるってどういう意味?」
MLBを見ていて疑問に思ったルールをわかりやすく解説していきます。
📋 このページの内容
① アクティブロースター(26人枠)
試合に出場できる選手の枠です。レギュラーシーズン(4月〜8月末)は最大26人まで登録でき、
この26人の中からスターティングラインナップや投手リレーを組みます。
ポイント:26人の内訳に制限はありません。投手を13人にしても、野手を多めにしてもOK。
ただし、試合ごとのベンチ登録(ベンチプレイヤー)も26人の中から選びます。
❓ よくある誤解:「40人全員が試合に出られる」
1試合でベンチに入れるのはアクティブロースターの26人だけです。40人枠はあくまで「組織として保護している選手リスト」であり、試合当日のベンチとは別物です。
先発メンバーの9人が試合に出て、残り17人がベンチ待機という構成になります。
40人枠に入っていても、アクティブロースター(26人)に入っていない選手は試合に出られません。
🟦 アクティブロースター(26人)← 試合に出られる
🟩 40人枠(40人)← アクティブ26人 + IL + オプション降格中の選手を含む
⬜ 40人枠外(マイナー契約など)← 40人枠に空きがないと昇格できない
| 時期 | 人数 |
|---|---|
| 4月1日〜8月31日(通常シーズン) | 26人 |
| 9月1日〜シーズン終了 | 28人 |
| ポストシーズン(プレーオフ) | 26人 |
② 9月のロースター拡大(28人枠)
9月1日からはロースターを28人まで拡大できます。
以前(2019年以前)は40人全員を呼べましたが、試合が間延びするという問題から現在の28人制に変更されました。
なぜ重要?:プレーオフ争いをしているチームにとって、9月の2枠追加は非常に大きな意味を持ちます。
マイナーで好調な若手を呼んでメジャーデビューさせたり、IL(故障者リスト)から復帰した選手を試したりできます。
③ 40人枠(フォーティーマンロースター)
アクティブロースター(26人)の外側にある、より大きな保護リストです。
最大40人まで登録でき、IL(故障者リスト)入りの選手もここに含まれます。
なぜ重要?:40人枠に入っている選手はルール5ドラフト(後述)から保護されます。
チームは将来有望なマイナーの選手を他チームに獲られないよう、この枠に入れておきます。
逆に、40人枠を空けるために選手をDFA(指定解雇)することもよくあります。
40人枠の内訳イメージ
10日IL / 15日IL
60日IL
オプション(マイナー)
忌引・育休リスト など
④ 故障者リスト(IL: Injured List)
怪我をした選手を一時的にアクティブロースターから外すための仕組みです。IL入り中は試合に出られませんが、
その分だけ他の選手を呼ぶことができます。
| 種類 | 最短期間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 10日 IL | 10日間 | 最も一般的。軽〜中程度の怪我に使用 |
| 15日 IL | 15日間 | 投手専用。肘・肩の怪我など |
| 60日 IL | 60日間 | 重傷用。40人枠から一時的に除外されるため、空き枠が生まれる |
よくある誤解:ILに入ると40人枠から外れる、と思われがちですが、
10日・15日ILは40人枠に残ったままです。
60日ILだけが40人枠のカウント外になり、その分だけ新たな選手を40人枠に追加できます。
⑤ オプション(マイナー降格の仕組み)
40人枠に入っている選手をマイナーに降格させる権利を「オプション」といいます。
選手は通常3年分のオプションを持っており、1シーズン中に何度もマイナー降格・メジャー昇格を繰り返しても、
1シーズンでオプションの消費は1回だけです。
オプション切れになると?
3年のオプションを使い切った選手は、マイナーに降格させるためには本人の同意が必要になります。
本人が拒否した場合、チームはその選手をDFA(Designated for Assignment=指定解雇)するか、
ロースターに残すかを選ぶことになります。
これがドジャースで「〇〇のオプションが残り1回」などと報道される理由です。
⑥ マイナーリーグの構成
MLBの下部組織。各メジャーチームが系列のマイナーチームを持ち、選手を育成します。
| レベル | 通称 | ドジャース系列 |
|---|---|---|
| AAA(トリプルA) | メジャー直下 | オクラホマシティ・ドジャース |
| AA(ダブルA) | 中堅プロスペクト | タルサ・ドリラーズ |
| A+(ハイシングルA) | 将来有望な若手 | グレートレイクス・ルーンズ |
| A(シングルA) | 育成中の若手 | ランチョ・クカモンガ |
| ルーキー | ドラフト直後など | ACL / DSLドジャース |
⑦ ルール5ドラフト
毎年12月のウィンターミーティングで行われる特殊なドラフトです。
一定年数が経過しても40人枠に入っていないマイナー選手を、他チームが獲得できる仕組みです。
なぜ存在するの?
資金力のある大チームが有望な選手をマイナーに「塩漬け」にするのを防ぐための制度です。
ドラフトで指名されてから一定年数(通常4〜5年)が経過した選手は、
40人枠に入れておかないと他チームに$100,000(約1,500万円)で持っていかれる可能性があります。
これがシーズンオフに「〇〇を40人枠に追加」「DFAして40人枠を空ける」という動きが活発になる理由です。
※ このページは随時更新・追加していきます。「このルールが知りたい」というご要望があればコメント欄へどうぞ。
※ 情報はMLB公式ルールに基づきますが、一部わかりやすさを優先して簡略化しています。
⑧ セーブ(Save)の成立条件
セーブとは、リリーフ投手がチームの勝利を「締めくくった」ときに記録される投手成績の一つです。ただし、登板すれば必ず記録されるわけではなく、以下の条件をすべて満たす必要があります。
セーブが記録される条件
- チームが勝利した試合であること
- 自分が勝利投手ではないこと
- 最終アウトを記録したこと(試合を締めくくったこと)
- さらに以下のいずれか1つを満たすこと:
- 登板時にリードが3点以内で、かつ1イニング以上投げた
- 登板時に同点またはサヨナラの走者がいた(打席・塁上含む)
- 3イニング以上投げた
具体例
【セーブがつく例】
1点リードの9回から登板し無失点で締めた → ✅ リード3点以内かつ1イニング以上
4点リードの9回から3イニング登板 → ✅ 3イニング以上投げたため成立
同点の走者が塁上にいる場面で登板し無失点 → ✅ 同点走者がいたため成立
【セーブがつかない例】
5点リードの9回から1イニングのみ登板 → ❌ リードが3点超かつ3イニング未満
勝利投手として最終回も投げた → ❌ 勝利投手にはセーブはつかない
セーブ(SV)・ホールド(H)・ブローンセーブ(BS)の違い
| 記録 | 対象 | 条件 |
|---|---|---|
| セーブ(SV) | 抑え投手(クローザー) | 試合最終アウトを記録+上記条件を満たす |
| ホールド(H) | 中継ぎ投手(セットアッパー等) | セーブ状況で登板し、リードを守ったまま降板 |
| ブローンセーブ(BS) | セーブ失敗 | セーブ機会でリードを失った場合に記録される |